中山水道航路整備事業の効果
事業効果
(1)中山水道航路周辺における迂回ルートの改善(非効率な運航の改善)
今まで、三河湾内を入出港するには、三河湾口部に点在する浅瀬(最浅地点-8.6m)や暗礁が原因で、三河湾へ入湾する船舶の許容喫水が水深-10mに制限されており、これより深い喫水で航行する船舶は、下の(整備前)の図に示すような迂回ルートを通らなければならず、効率的な運行ができませんでした。
特に、国際自動車特区に認定され、今後の発展がますます期待される三河港においては、-12m岸壁が供用されているにもかかわらず、その機能をフルに発揮することができない状況にあり、三河湾背後園の産業発展にも影響を与えていました。
しかし、中山水道航路が整備されたことにより、-10m以深の喫水を持つ大型船舶の多くは、今までのような迂回ルートを通航することなく、三河湾内に直接入れることができるようになりました。
これにより、今までのような非効率な運航を改善することができ、また輸送費の抑制にも寄与することができるようになりました。
中山水道航路周辺の航行ルート(整備前)
中山水道航路周辺の航行ルート(整備後)
今までは、三河湾口周辺に点在する浅瀬(最浅地点-8.6m)や暗礁を迂回して通行する必要がありました。
中山水道航路の整備によって、浅瀬や暗礁を迂回することなく通航できるようになりました。
(2)就航スケジュールの改善(喫水調整の解消)
外航航路を就航するような大型船は-10m以深の喫水を持つことが多く、三河湾へ入湾するための許容喫水制限である-10mを超えていたため、他港で先に荷物を降ろし喫水を-10m以内にして(これを喫水調整といいます)から三河湾内に立ち寄らなければなりませんでした。しかし、中山水道航路が整備されたことにより、大型船の多くはこのような喫水調整をすることなく三河港に直接入港することができるようになりました。
これにより、効率的な就航スケジュールを組むことができるようになり、また、輸送費の抑制にも寄与できるようになりました。
喫水調整とは?
船体の水中に没している部分の深さを喫水といいます。喫水調整とは、積み荷を別の港に乗せ替えたり、別の港に保管場所を確保して降ろしたりするなどして船を軽くし、喫水を浅く調整することです。
(3)安全性の改善(船底損傷等の回避)
今までは、三河湾口部に点在する浅瀬や暗礁に当たり、船底を損傷するという不安を抱えながらの通航を余儀なくされていましたが、中山水道航路の整備により、このような不安も回避され、安全な航行を行うことができるようになりました。
さらに、中山水道周辺には、年間を通じて多数の漁船が操業をしており、今までは浅瀬を迂回する大型船舶との錯綜により海難事故が多発していましたが、今後は、一般船舶が中山水道航路を航行することにより、海域利用の錯綜が回避できることからも、航行における安全性の向上が期待できます。
今までは、浅瀬や暗礁に当たり船底を損傷するという不安を抱えながらの通行を余儀なくされました。
船底を損傷するといった不安は解消され、安心して通行できるようになります。